写真のバックアップをNASでとる
写真のバックアップ先としてCD-ROMやBD-ROMなどのメディアでのバックアップも良いかと思いますが、今はデジカメ以外にもスマホでの写真のバックアップも必要となります。
家族がいれば、人数分の写真が増えていきます。年数も長くなるほど容量も増えていきます。例えば300GBならBD-ROM50GB×6枚が必要となります。
また外部メディアだとアクセスがちょっと面倒。どこに何が入っているのかパット見わかりませんし、すぐにアクセスができません。できればスマホやタブレットから見たいときにすぐさっと見れる環境が望ましいです。
もちろんiPhoneにはiCloudやアマゾンを契約していればプライムフォトなどのクラウド型のフォトストレージもありますが、これらはもちろん有料です。
また、いつ規約が変わって容量制限が起こるか判りません。
そこで、もちろんクラウドにも写真は保管しますが、HDDやSSDなどのメディアにも保管する必要があります。
バックアップも取れて、容量を気にせず見たいときに見られる。
そこでNAS(Network Attached Storage)が必要となります。
HDDやSSDなどはいつ壊れるかわかりません。思い出がすべて消失したという自体にならないためにもバックアップは必要となります。
NASの種類
BUFFALOのおもいでばこはHDD単一でバックアップします。
単独HDDではエラーを起こした際に不安が残ります。
しかし安心のBUFFALO製。おもいでばこをバックアップするHDDも売っています。定期的にバックアップしてやればこれほど簡単なNASは無いかと思います。
IOデータのLAN DISKもNAS導入としては簡単です。
今まではこれの1ドライブを使用していました。
無料でダウンロードできるソフト「Sync With」というソフトで双方向同期や片側同期も簡単です。
下記は2ベイタイプ。購入は2ベイをおすすめします。
SynologyというメーカーのNASもおすすめです。
GUI操作でいろいろとバックアップが可能です。
アマゾンフォトやONEDRIVEなどのクラウドサービスからの同期も可能。アプリをスマホに入れることで、スマホからのバックアップも可能となります。
一番おてがるに写真をバックアップしたいならおもいでばこでしょう。
SDカードを直接挿せば、すぐバックアップが始まり、テレビですぐに見ることが可能。クラウドストレージのバックアップも可能です。
動画も4Kまで対応しています。増分バックアップもすぐ出来るので、重複して保管することもありません。
1ドライブで不安もありますが、きちんとバックアップドライブも発売しており(しかも安い)NASのバックアップも簡単です。
どうしてもNASはIPアドレスなどネットワークの知識が必要となる場面もあるので、お手軽に済ませたいならおもいでばこ一択ですね。
NASは壊れるのか?
もちろん壊れます。
というか壊れました。
今まではIOデータのLANDISKの1ドライブを使用していました。
まぁ、そこまで壊れないだろうという判断で1ドライブを使用していました。
ですが、壊れました。元のデータが入っているPCは壊れていないので良かったのですが、NASがあるから安心してもとのデータを消去していたら大惨事でした。
やはり2ドライブ以上でRAID1(2台のHDDに同時に同じデータを書き込み)のミラーリングを組んでおかないといけませんね。
値段はけちらず2ドライブ以上を購入しましょう。
今回購入したNASはSynology
今回は壊れた教訓を生かして、2ドライブでRAID1を組みます。
そしてHDDもNAS用の冗長性が高いものを購入します。
おもいでばこも故障予測機能があっておすすめです。
今回はSynology製を購入しました。SynologyのNASは定番でよく売れているようです。
SynologyはNAS本体とHDDは別売りですので、お値段もちょっと高めです。
下記のセット品をおすすめします。
シーゲート製のNAS用HDD、IronWolfがセットになっています。
自己診断が付いているHDDで、NAS側からも状態がチェックできます。
安いからと言って通常のHDDをNASに使用するのは安全面からおすすめしません。シーゲートであればIronWolf、ウエスタンデジタルであればREDをすすめます。
SynologyのNASでは設定で月ごとにメール通知が出来ます。
月間のレポートにはHDDに異常が無いか記載されます。
また、緊急時にはすぐにメールを送信してくれるので、いつの間にか壊れていたと言うことが無くなると思います。
Synologyでデジカメの写真や動画をバックアップする方法
これは色々悩みました。一番簡単な方法はなにかと。
私は2F寝室の押し入れの中にNASを入れています。NASへのアクセスは悪いです。
書斎にNASを置いても良いのですが、HDDのシーク音が気になります。
①NAS本体にSDカードリーダーを挿して、写真を取り込みたいときだけSDカードを入れる
USB COPYというアプリがありますので、そちらをパッケージセンターからダウンロードして、SDカードを挿したタイミングでバックアップしていく。
もちろん取り込み済みの写真はバックアップしない増分バックアップが可能。
②Synology Drive ClientでSDカードからPCへ写真を取り込んだタイミングで自動バックアップ
写真を指定したフォルダに入れると、自動的にNASへバックアップが可能です。写真取り込みアプリ(ソニー製やパナソニック製)でPCの指定フォルダに写真を取り込んだタイミングでNASへ自動バックアップが可能です。
③Synology Photo Station Uploaderでバックアップ
このソフトをPCにインストールすると、バックアップしたいフォルダや写真で右クリックするとNASへアップロードするボタンが出てきます。
手動でNASへバックアップが可能です。重複はアップロードしないように差異もチェックします。
④Sync Withという同期ソフトでバックアップ
フォルダ同期ソフトです。IOデータのNAS、LanDiskではこれを使用してバックアップしていました。スケジュール機能もありますが、ボタンを押下したタイミングでバックアップが可能です。視覚的にわかりやすいソフトで、差異のチェックも高速です。
PCからの写真バックアップ方法
PCでも写真を保管して、NASにバックアップしたいというなら②のDrive Clientがおすすめなのですが、フォルダの階層までコピーしてしまうので正直面倒です。
NASへ階層ごとバックアップするので、NASで階層が深くなってしまうのが気になります。
フォルダのみバックアップしてくれると良かったのですが。
①の本体への直接バックアップもお手軽です。しかしPCでも写真を整理したり加工したりして見たいという人にはお勧めしません。NASからPCへ写真をダウンロードする必要があります。
「PCの容量を圧迫するので、写真はPCに保管しない」
という人には一番向いていると思います。重複ファイルはアップロードしないので、写真の重複も避けられますし、いちいちPCを起動する手間もありません。
③のPhoto Station UploaderはまずはPCへ写真を取り込んでからNASへバックアップするという方式です。そして写真閲覧ソフトとしてPhoto Stationを利用します。スマホではDS Photoから参照できるようになります。
PCからの増分バックアップも可能ですし、フォルダのみのコピーが可能。
一度PCへの写真の保管が必要です。
欠点はちょっとアップロードに時間がかかります。
というのもサムネイルをPCのCPUで行いながらアップロードするためです。動画のアップロードはさらに遅くなります。動画アップロードは後回しにして、まずは写真を優先的にアップロードしましょう。
ドラッグ&ドロップや他の方法でNASへ写真をアップロードすると、NASのCPUでサムネイルを生成するので、この生成時間に異様に時間がかかります。特に動画をアップロードすると数にもよりますが処理に数日かかりますし、NASのCPUパワーを90%前後使用したままになります。
PC側で処理を行った方が速いですのでPCからPhoto Station Uploaderを使用してPC側で処理を行いつつNASへ写真をアップロードしてください。
Photo Stationを使用しないという選択肢もあります。
Photo Stationを使用しなければ、さくさくバックアップが可能です。しかしスマホなどでNASの写真をDS Photoというアプリで見たいという場合はPhoto Stationを使うしかありません。
写真バックアップ処理時間について
Photo Stationをインストールして写真をNASへアップロードすると、サムネイルを作成するための処理が開始されます。
これが異様に遅いです。
このサムネイル処理をNASのCPUに行わせるのではなく、PCのCPUで行わせつつNASへアップロードするのが良いでしょう。
そのために使用するソフトはPhoto Station Uploaderです。
PCへSynologyのサイトからダウンロードしてインストールする必要があります。
一番初めに大量の写真をNASへバックアップするなら必ずこのソフトを使用してください。
ほかの方法を使うと写真をアップロードしてから悲惨な目にあいます。
出来れば高性能なCPU性能を持つPCで行ってください。
参考までに、
約3万枚の写真(一眼データ含む)と少々の動画
PCのCPUは2010年のcore i7 820QM(今ではかなり非力です)
LAN回線は無線では無く有線を使用
以上の環境でPhoto Station Uploaderを使用してNASへバックアップすると
アップロード完了まで36時間
CPUは100%フル稼働して36時間!
ちなみに外付けSSDからアップロードしようとしたら途中で止まってました。
大量に写真がある場合は、やはりPC内蔵HDD or SSDからアップロードがおすすめです。
Photo Station Uploaderを利用しないで、NASへ写真をバックアップすると確かに速度は速いです。
しかし、
NASでPhoto Station用サムネイル生成を行ってしまい、NASのCPUがフル稼働して生成完了まで数日~1週間かかる
可能性があります。
NASのCPUは非力なので時間がかかります。
絶対にPCからPhoto Station Uploader使用してアップロードするべきです。
そして出来れば性能の良いCPUを持つPCからアップロードしてください。
(今回36時間かかったので、写真用PCを買い替えようと思いました。2010年のCPUでは力不足です)
結局どれでNASへバックアップするのが良いのか
結論としてはやはりPhoto Station Uploaderを使用してPCからNASへバックアップが良いです。
理由として、
Photo Stationを利用しないとスマホでDS Photoが利用できない
からです。
やはりスマホやタブレットで簡単にサムネイルで見るにはPhoto Stationを利用して、DS Photoを使用するのが一番です。
「写真はバックアップできれば良い。閲覧はPCで行う」
という人は他のバックアップを検討した方が速度は速いです。
その場合はNASからPhoto Stationはバックアップ前にあらかじめ削除しておきましょう。
削除しておかないとサムネイル生成を始めてしまいます。
PCからの動画バックアップ方法
④のSync Withという同期ソフトを使用してのバックアップを行うことにしました。今まで使っていて慣れているというのもあります。
このソフトは視覚的にわかりやすいんです。そして圧倒的に速い!
元と先で差異が無いか初めにチェックするのですが、これが高速。サクサク差分をチェックしてくれます。
PCとNASのフォルダ内容を完全一致させる同期や、増分のバックアップも設定ですぐ可能。スケジュール機能もあります。PC起動時に自動的に同期させることも可能です。
差分チェックが早いのと、フォルダ指定でバックアップが出来るので階層が深くならないので気に入っています。アップロードも速いです。
写真以外のものは「Sync With」を使うのはありですね。
ジョブリストも複数作れますので、外付けHDDからのバックアップも可能です。
NASのVideoフォルダにバックアップしました。
スマホからの写真バックアップ方法
DS PhotoというアプリからNASへアクセスしアップロードします。
フォルダも指定できますし、自宅に帰ったら自動アップロードという設定も可能です。自宅のWi-Fi下でDS Photoを起動しなくてもバックグラウンドでアップロードできます。
フォルダは各個人で作れば、スマホごとに指定フォルダにアップロードしていきますので、写真でスマホの容量が圧迫する人にはぴったりだと思います。
クラウド型の保存として、iCloudやプライムフォトなどがあればそこにもアップロードしつつ、さらにNASへ保管ということも可能です。
普段はクラウドストレージにバックアップしておいて、スケジュール管理で週1回程度自動同期してやればクラウドからNASへ勝手にバックアップしていきます。
Google DriveやOneDriveの同期もNASで可能ですので、万が一に備えることが可能です。
セット内容

初心者ガイドと目的別ガイドの2冊が付属していました。
これで何が出来るかがわかりますので、詳細な設定はネットで調べましょう。
接続までは簡単です。

2ベイタイプを購入したのでHDDを2台組み込めます。ただ、挿してネジで留めるだけです。
HDDはサーバー用を購入しましょう。セット品がありますのでセット品を購入した方が良いです。


LAN回線に有線接続してください。
あとはマニュアル通りにNASへアクセスして設定を完了させましょう。
音は気になるか
NASなのでそこそこ駆動音は気になります。
しかしIOデータのLanDiskよりは書き込み音は気になりません。
ですが、できれば寝室には置かない方が良いでしょう。
私は寝室の押し入れの中に入れています。多少の音は出ますが、そこまで気になりません。我が家は書斎と寝室が一体化しているのですが、書斎に置くよりは押し入れの方が扉があるので音も気にならない感じ。
これで普通に寝ています。
まとめ
SynologyはGUI搭載していますので、Windowsの様にアイコンを操作して簡単に設定できます。
出来ることも多いので、色々やってみたい方にはおすすめのNASです。
とはいえ設定は簡単です。
自宅に光回線が通っていれば大量の写真データのアップロードも速いと思います。
今のPCは持ち運びと速度を重視しているためSSDが組み込まれていることが多いです。SSDは256GBが多く、それ以上の容量になると一気に価格が上がります。
今までなら内蔵SSDだけ購入して入れ替えていたのですが、サーフェスなどの薄型PCはSSDの交換が出来ません。写真をPCに置いておくと言うことが出来ませんので、外付けSSDを購入して、そのバックアップにNASを利用するという方法がおすすめです。
家族との思い出データなどの消失は是非避けてください。